断熱・気密・換気について

 断熱性能・気密性能・換気風量を全棟、計算・測定してご提示しています。快適な環境を省エネルギー、低燃費で実現するため、また、カビやダニの元となり建物自身の耐久性にも影響を与える結露を起こしにくくするためには、下記のような建物性能を知る事が重要になります。

 

特に気密測定換気風量測定は快適な省エネ住宅を実現するには必須項目です。


外皮平均熱貫流率-UA値(次世代省エネ基準のQ値に相当)

 UA値とは住宅の内部から外壁や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量(熱損失)を、外皮全体(外壁、屋根等)で平均した値です。換気による熱損失は含みません。簡単に言えば熱がどの程度、家から逃げるか?を表す。熱は逃げなければよいので数値が小さいほど、建物からの熱損失量が少なく、省エネルギー、低燃費になります。

 

正確なUA値を求めるには各部位の面積が関係する為、プラン等が決定しなければ計算できません。通常はいままでの事例や簡易計算式である程度あたりをつけて設計していきます。


省エネルギー基準では下記のように地域ごとに基準値を設定してあります。
・1地域 0.46W/m2K(北海道)

    ~

・4地域 0.75W/m2K(新潟県の一部)

・5地域 0.87W/m2K(新潟市近辺や東京など)

    ~

・8地域 基準なし(沖縄県)

高性能グラスウールの施工状況
断熱材施工状況

当社では、北海道基準である1地域(UA値0.34W/m2K、HEAT20 G2)を超える基準で設計していきます。

(プラン、価格により異なる場合があります。)


相当隙間面積-C値

 C値とは、家の気密性能を表す指標になります。単位はcm2/m2であらわされ、家1m2につき隙間が何cm2あるか?を実測していきます。この隙間は、意図的に設けた開口部(例えば24時間換気のための換気口)は除いたものになり、意図的でない隙間の面積です。数値が小さいほど気密性能が良いことになります。

住宅の気密化の目的として

  • 漏気が減ることにより、暖冷房効率がよくなり省エネルギーで快適
  • 壁体内結露の防止(壁体内への水蒸気侵入防止)
  • 安定的な換気とコントロール

の大きく3つがあります。また、

  • 断熱材施工精度の確認

としても使えます。上記の断熱性能を表すUA値はあくまで机上の計算値になり、完成した建物のUA値がどうなのかを確認・測定することは困難です。気密測定は実測値になるため、断熱材が設計通り丁寧に施工されたかどうかを判断する目安になります。

 

気密測定の様子
気密測定の様子

住宅の気密化や高気密というと、息苦いイメージをもたれる方もいらっしゃいますが逆です。住宅を気密化することにより、部屋の隅々まで新鮮な空気をめぐらせることができるのです。

当社では、C値0.5cm2/m2以下を目標とし、全棟気密測定しています。


換気風量測定

換気風量測定の様子
換気風量測定の様子

 建築基準法では、一定基準の空気質を確保するために換気設備を設置することが義務られています。しかし住宅が完成し、住んでいる状態で実際にどの程度換気されているのかは測定・実測してみない限りわかりません。施工状況や建物の気密性能などにより、換気量が同じ換気設備を導入しても異なってきます。


当社では、住宅が完成した後、可能な限り換気量を測定し、施主が住宅の空気質のコントロールを行いやすいようにしています。


冷房期の平均日射熱取得率-ηAC(イータエーシー)

南面窓の庇
日射を遮る庇

 ηACとは、夏季に窓から直接侵入する日射による熱と窓以外から日射の影響で熱伝導により侵入する熱を評価した指標。 数値が小さいほど、日射の影響により侵入する熱量が小さく、冷房負荷が少ない。簡単に言えば夏の日射熱の影響をどの程度受けるか?を表す。夏は涼しい家の方が良いため、数値は小さいほうが良い

 

高断熱高気密住宅で夏涼しい家を作るためには、建物が受ける日射を考慮しなくてはいけません。その為、設計段階で外皮の平均日射熱取得率を計算し、数字として客観的に建物性能を提示していきます。ηAC値は断熱材の厚みや、窓ガラスの性能等により数字が大きく変わってきます。


省エネルギー基準では下記のように地域ごとに基準値を設定してあります。

・1地域 基準なし(北海道など)
    ~

・5地域 3.0(新潟市近郊など)

・6地域 2.8(東京など)

    ~